平成27年8月20日
同人団体 猫 務 庁
寿司債権に関する基本的な考え方について
近時,架空官庁クラスタが生み出した寿司債権をめぐってその発生要件を修正しようとする動きがある[1]。
架空官庁クラスタにおいては,従前から寿司債権の性質をめぐって検討がなされてきたところであり[2],このような議論の蓄積を省みることなく
「原義主義」等という形式的批判のみによって寿司債権の無秩序な拡大を正当化しようとする試みは,寿司債権の法的安定性を害し,正当化根拠を覆滅するおそれがある。
架空官庁クラスタにおいて寿司債権を所掌する同人団体である当庁は上記のような寿司債権に係る発生要件の拡大修正をしようとする策動について,ここに強い懸念と遺憾の意を表明する。
既に架空官庁クラスタの識者からは上記のような修正論に対する反論がなされているところであり,寿司債権の性質や沿革については前掲注[2]の各資料に記載のとおりであるから, 追加して説明するべき点は少ないが,当庁は重複を承知の上で,さしあたり次のとおり付言しておく。
寿司債権の発生について
寿司債権は「ぱくつい」行為によって生ずる。「ぱくつい」とは,短文投稿サイト上において規約上認められていない態様によって他人のツイートを複製・送信する行為をいう。対象となったツイートが著作物であるとすれば,
これらの行為は「ぱくつい」元のツイートを投稿した者の著作権を侵害する行為であり「ぱくつい」をされた者は「ぱくつい」を行なった者に対して差止め・損害賠償を請求することができよう。
しかし,140字のツイートについて見ず知らずのフォロワーにカネを要求することは心理的抵抗が大きいし実現可能性に乏しい。そこで誰からともなく考案されたのが寿司の給付を求める方法であった。この方法を債務者は追認した。これが寿司債権の起こりである。
寿司債権発生要件の拡大について
寿司債権の発生要件の拡大には問題がある。まず第一に上記のような特殊な事情の下で発生した寿司債権の背景について充分な理解がされていないこと。第二に,もとの寿司債権の発生要件を全く無視していること。第三に,寿司債権の範囲を無秩序に拡大しようとすることである。第一の点は資料の検索困難の問題もあるから措くとしても,第二,第三の点については問題がある。とりわけ第三の点については給付の目的物を寿司をはじめとする飲食物とする根拠に乏しく,寿司債権の意義を没却している。修正説は寿司債権のコミュニケーション機能を挙げる。確かに寿司債務の履行は当事者間のコミュニケーションを媒介する。コミュニケーション機能という語も商標のコミュニケーション機能論を想起させ,首肯することができる。しかし修正論者が自ら認めるように,これは寿司債務履行に伴う副次的な効果に過ぎない。寿司債権拡大の正当化根拠についても実務上の運用を云為するのみで全く容認することができない。
以上
脚注
[1] 「寿司債権論研究序説~寿司債権の法的性質と執行方法~」アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常(visited 2015-08-19)
[2] 拙稿「イカちゃんはどうして破産していないのですか?」(2014年1月),もなか「架空官庁総覧」ニャリスト第2号(ISSN 2188-2169/猫務庁発行局・2015年)70頁以下の「寿司債権/寿司債権回収機構」の項,はがねさん「架空内閣総理大臣談話」(2015年8月),はがねさん「架空官庁ガール」ニャリスト第2号77頁以下・82頁をそれぞれ参照。
修正履歴
《担当課》
同人団体猫務庁 寿司及び焼肉等債権監理局
《文責》野 良 猫 (@nrnk_jp)